こんにちは、Daichiです。
実は去年、自分の人生において指折りのビッグイベントを経験しました。それは
顎変形症手術
です。
顎変形症とは、上下の顎のズレやゆがみによってかみ合わせ不良になる病気です。
治療にあたって、その顎のズレやゆがみが大きい場合は、通常の歯列矯正治療に加えて外科的矯正術が必要となります。そしてその手術が、なんといっても大がかり!私が実際にやったのは上下両顎の骨を切る手術で
ルフォー1型骨きり術 + 下顎枝矢状分割術(SSRO)
でした。
3年前、ずっと気にしていた歯並びを治すために歯列矯正を始めようと思ってカウンセリングに行ったら、「普通の歯列矯正では限界があります。」とのこと。「どういうことですか?」と聞けばまず顎変形症について説明され、その後治療するための手術内容を事細かに説明されました。
まさか歯列矯正で何時間もの全身麻酔の手術をしなければならないなんて思いもよらず、あまりの衝撃にずっと上の空すぎて、帰り道途中適当にコンビニに入ってなぜかファミチキ買って食べながら帰ったのを覚えています。ファミチキはこの時初めて食べました。
もちろん手術を受けるかどうかの最終判断は患者である私にあって、もし手術しないのであればその方向性で治療も進めることはできるということでした。悩みました。いろんなサイトやブログを見ました。歯を治すのにそこまでする必要があるのか?健康な体にメスを入れるのはどうなのだろうか?この手術を受けたことを納得できるほど、治療後の満足感を得られるのだろうか?
うーん、わからない…
治療した将来の自分としなかった将来の自分それぞれにインタビューして選べたらいいんですけども、そんな量子論的世界観というかSFファンタジーみたいなことは現実では許されておらず、今の自分と相談して決めないといけないようなんです。
悩んだ挙句、やることを決断しました。手術に関する情報収集は自分なりに色々したのですが、最終的な決め手は損得勘定というより、直感的なものでした。それは
やっぱりきれいな歯並びを手に入れたい
自分の中のその強い意志を感じて、突き進むことにしました。きれいな歯でおいしくご飯を食べたい。きれいな歯でニコッと笑いたい。もし、ここでやらない選択をしたら一生後悔するだろう。それが大きかったように思います。
私はあえて周りの人にあまり相談しませんでした。この顎変形症手術は書面上は病気に対する治療ということで、美容整形とは異なる扱いとなっています(ですので保険適用となります)。といってもその実態は美容整形手術と同じ。整形に対する抵抗感を覚える人は多く、反対されると思ったからです。周りの意見よりも自分の気持ちを優先して、あくまで自分の判断で決めたかった。でも、やっぱり不安…
もしかしたらこのブログにたどり着いた方の中で、同じような状況の方もいらっしゃるのではないでしょうか?悩みますよね。治療前の自分のように外科的治療に悩む方々のために、その判断の一助になることを願って、今執筆を進めています。
本ブログでは、患者目線で顎変形症手術のリアルをお伝えするため、当時こっそりしたためていた日記を大公開しちゃいます(/ω\)
固有名詞はぼかさせていただきますが、それ以外はコピペさせていただきます。私は、手術前日から入院をして、術後5日目に退院しました。全部で7日間の入院となります。日によって分量がまちまちですが、悪しからず…
1日目
朝ごはん食べて、バス乗って、昼前に病院に向かう。天気は良くないけどなんとか持ち堪えた。
病院に着いてまず入院の手続きをするため、一階の入院窓口へ。15人待ちくらいで、どの部屋に泊まるだとか面会はどうするのかとか説明された。その後、浴衣をレンタルするためにレンタル受付へ行った。
案内された部屋は12階の角部屋だった。四人一部屋の大部屋。おじさん3人に囲まれた入院生活がスタート。変に同世代がいなくて楽だな。
しばらく部屋で待っていて、まず看護師が来てアレルギーがないかとか軽く問診され、退院までの流れを説明された。最後に採血。体温を測ったがまさかの37.5度。苦笑いされ、あとで計り直さないとねーと言われる。
しばらく待つ。
次に来たのは手術室看護師。車酔いがないかとか聞かれた。
薬剤師も来て、使用する薬の説明をされた。
暇になる。しばらくしてwifiに接続しようと廊下の掲示板を見に行くと看護師の偉い感じの人に声をかけられ、そのまま施設の説明をされる。レンタル品の場所。浴室の使い方。そのまま受付まで連れていかれて身長体重を測った。シャワーの予約もすることになりとりあえず17時にした。
また待つ。
しばらくして、一階で診察があるということでむかう。まず、歯の中を謎の三角のプレートで測定し、歯のクリーニングをして、その後カルテを見て健診。喘息は治っているのかとか、ロキソニンは大丈夫かとか、酒タバコはなしかとか、色々聞かれた。
この時点で17時ちょいすぎ。シャワーの時間を逃しそうで焦る。
部屋に戻ろうとしたらI先生に声をかけられ、しばらく部屋で待っててと言われる。しかし待てども呼ばれず。ようやく呼ばれて、シャワーがあると伝えたらそっちを優先してって言われて、慌ててシャワー浴びて、また一階に戻る。
F先生が椅子をセットしてくれ、I先生が手術の具体的な説明。3Dソフトを使ってすごかった。感動的。かなり丁寧な説明。
12階に戻ると母がずっと待っててくれてて、母曰くすでに看護師と麻酔科の人が来てたらしい。今日はもう会えないかもとか言ってたらしい。
母帰る。しばらくすると夕飯が運ばれてきた。
隣のおっちゃんが音ありでゆっくりボイスの謎動画見ててうるさいけど、うるさくしてもらった方が気を遣わなくて良いのでありがたい。
夕飯は白米の割合が多いものの美味かった。じきに回収される。
2日目
6時前に起きる。トイレ行って顔洗って、とりあえず水を飲む。6時半から飲めないみたいだからな。
途中看護師に水をどのくらい飲んだか聞かれ、300〜400mlなんだと言ったらそんな飲んだの!?って驚かれてしまった。やや飲み過ぎだったかも。だってもう飲めないって言われたら飲んじゃうじゃん。
ずっとYouTube見てる。ソワソワしてる。
10過ぎに母がくる。
10時40分に手術室呼ばれる。手術室は3階で、看護師に先導されて向かう。
まず、手術室の入り口のベンチで待機させられ、名前と生年月日を聞かれる。研修生の紹介もされる。
手術室まで己の足でズンドコズンドコ進み、部屋の入り口前にパイプ椅子を置かれて、そこでも名前、生年月日を執刀医に聞かれる。あと何の手術を受けるのかも念のため聞かれる。パソコンで、同意書の確認もする。
それが済むと自分で手術台に乗る。
服を脱がされ、心電図をペタペタ体に貼られる。
左手首に点滴?の針を刺される。ゴム状のマスクをつけられ、深呼吸するように言われ、しばらくすると視界がゆらゆらし始めた。気づいたらもう意識はない。
手術が終わった。オペ室で(私)さん、(私)さんと声をかけられ、1200ccの出血と言っていたのが聞こえた。あとは覚えていない。気づいたらHCUに移っており、輸血されていた。
震えが止まらず、ガクブルしてたら暖房機的なのを持ってきて温めてもらった。
先生が無事オペ終わりましたって言ってくれた気がする。
途中暑くなって、ナースコールで布団を剥いでもらう。
それでも暑くなって、もう一枚剥いでもらおうとするが、もともとに握らせてもらっていたナースコールの機械を手放しており見つけられない。焦る。布団の上を撫で回すように探すとコードが見つかり、よっしゃ!と思って辿ると股間に近づいていった。尿管だった。最悪。
なすすべなくて、監視カメラに向かって手をクネクネさせてアピールするも意味なし。終わった。まじで叫んで看護師呼ぶことまで考えた。
一旦落ち着いて再度探すと結局、ベッドの外にナースコール落ちてた。助かった。
ここで冷静に自分状態を観察した。鼻は全然通ってて、ゴムもしてない。顔の周囲をぐるぐる巻きに固定もされていないんだけど。出血が多いって言ってたような気がするからもしかしてオペ中断したんじゃないかという不安に駆られた。予約撮り直しとかして来年やり直すんじゃないかって本気で不安になった。
口の中にチューブ?が入ってて、それで噛めないので噛み合わせとかも確かめられない。そんな不安の中夢かうつつか朝を迎える。
3日目
看護師がきて、名前、生年月日、今日の日付を聞かれる。肺とお腹に聴診器を当てて、ちゃんと活動しているか確認。
スポイトで水を口に含んで、口の中を洗う練習をする。途中で気持ち悪くなって、ナースコール。軽く吐く。
アベンジャーズ的な感じでいろんな先生が来てくれた。その後顔を温タオルで拭き、オムツを替えて、全身を拭かれる。そのあとベッドの上でレントゲンも撮る。
11時頃になって、HCUか普通の部屋に戻る。ベットごと移してもらった。手術中に埋まってた親知らずも抜いてくれたらしい。持って帰るか破棄するか聞かれて、破棄でお願いした。
看護師が二人きて、対応してくれた。肺とお腹に聴診器を当て、動いているので水が飲めるとのこと。これがしんどい。飲めてるのかどうかわからん。
歩けたら尿管抜くよってことで歩けたので尿管を抜かれることに。痛くはないけど気持ち悪い…
また吐きそうだったのでトレーを持ってきてもらって、あと鍵をもらった。
ずっと、ゆっくりする。
途中トイレに行ったり、水を買いに行ったりした。
以前自己血を貯血した分を戻すことに。血液型とプラスマイナスを聞かれた。
輸血中なんどか体温と血圧を測った。
夜の担当の看護師になって、体温と血圧を測られる。
今日の検査はとりあえず終わって、ずっとYouTube見て時間潰す。
鼻が詰まり倒して寝れない。痛くて起きる。深夜25時くらいにナースコール呼んで薬飲んで良いか聞く。申し訳ない。
4日目
6時過ぎに体温と血圧を測られる。
8時半頃診察があり、ドレーンを抜かれる。若干の緊張が走る。
その後、看護師にウォーターピックによる口内洗浄の指導を受ける。
寝てたら昼ごはんが来た。かなり険しい。
その後、歯磨き、ウォーターピック、イソジンをかます。結構時間かかった。
そんで、15時からシャワーの予定だからそれまでゆっくり。
シャワー浴びる。シャワー室が血まみれになる。さすがに事件性を感じた。先生には事前にシャワー浴びたら血がめっちゃ出るよって言われてたからまだしも、何も聞かされなかったら卒倒するレベル。
4時前、抗生物質の点滴をされる。
点滴回収。次は24時ごろと言われる。
6時まで寝る。ご飯を食べるが、はやりなかなかスパルタ。
歯を掃除して、YouTubeダラダラみる。
途中看護師さんが来て、いつもの体温・血圧・血中酸素濃度測定。うんちが黒いことを伝えたら、術中に血を飲んだからではないかということだった。
5日目
昨日の夜は寝れなかった。痛くて。点滴も終わっちゃって内服だけになった途端不安になる。
鼻詰まりがやっぱ睡眠のネック。
8時に朝ごはんが運ばれてくる。そんで8時半に診察ってなんとかならないものか。
ここでは大勢に囲まれながら、ゴムを変えてもらうだけ。一瞬で終わった。
そこからだるくなって、ゴロゴロ。
布団替える作業員が来て、次にゴミ箱替え作業員が到来した。
一階の診察をI先生に受ける。ゴムかけの練習。口の写真を撮られて、どこにかけたら良いか教えてもらう。
お昼がくる。グレードアップしていて苦戦。
ゴムかけで、口を広げたら血が出てきて焦る。
寝る。
CTとパントモ・セファロ撮影。
暇をする。
一回の売店まで行って水を購入。
18時半にご飯運ばれてくる。
やっぱ歯磨き、ゴムかけとか色々含めると1時間近くかかる。
また暇をする。
看護師さんが寝る前に挨拶してくれる。
6日目
6時くらいにまた起きるが、二度寝して結局七時半。
昨日も鼻詰まりに悩まされる。ティッシュをこよりにして鼻の穴に無理やり突っ込んで開通。寝付けるようになる。枕高い。
朝起きるが、昨日とそこまで痛み、痺れが変わらず萎える。
8時過ぎに朝食が運ばれてくるが、8:20に診察があるのでちょっと食って待機。診察も噛み合わせを確認されて、どこが痺れるか聞かれて、秒で終わった。
朝食の再開。食い終わった後の口内洗浄、ゴムかけが面倒くさい。ゴムかけ慣れてはきたもののね。
今は9時すぎ。何かを待つタイム。
ダラダラしてたらお昼がくる。サラダが出てきてびっくり。過去一しんどいサラダ。
14時にシャワー。
寝たり、パソコン作業したり。やっぱ全然集中はできない。結局寝てばかり。
途中看護師に退院に関する話を受ける。
6時過ぎに夕飯が運ばれてくる。完食。
若干パソコンをいじりつつ、寝床につく。ずっとついてるけどね。
7日目
6時頃起きるものの眠いので、7時まで二度寝。
7:20頃に看護師に毎朝恒例の体温・血圧・血中酸素濃度測るやつ。
ごはん回収。
退院。
最後に
日記は以上となります。いかがだったでしょうか?リアルな入院生活が少しでも伝われば嬉しいです。
最後に、この顎変形症手術を受けようか悩んでいる方へ向けて、僭越ながら私からコメントをさせていただきます。
実際に手術を受けるかどうか、本当に悩みますよね。はっきり言って大手術であるのは間違いありません。
私の個人的な感想として、やってよかったと思っています。もちろん単にかみ合わせが治ったこともうれしいのですが、長年悩まされてきたコンプレックスに自分なりに向き合った事実を前に、自信がついたという部分が大きいように思います。
絶対的な正解はないと思います。手術をするのも正解だし、手術をしないという選択ももちろん正解です。ネットで調べると、私と同じように手術をしてよかったと言っている体験記が多く、手術をした方が良いのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それは手術をしないという選択をした人はブログを書いていないだけかもしれません。エピソードとしては明らかに手術をした方が強いですからね。そちらの方がどうしても目立ってしまいます。手術をしないという選択をして良かったという方もいらっしゃるはずです。
大事なのは、自分ととことん向き合って、他人どうこうよりも自分が一番納得できる選択をすることだと思います。その向き合う過程で、本ブログによる入院の様子のイメージを参考にしてもらえたら、本望です。
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長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました!